熱きモノづくり企業の顔

想い溢れる言葉から汲み取れる真摯な姿勢。

常に魅力的な製品づくりに取り組む東大阪ブランド製品製造企業の
モノづくりに対する熱い思いを紹介していきます

株式会社新和プラスチック

インタビュー:田邊 専務
多数のアクリル製品に加え、1枚のペット樹脂から構成される組立て式パンフレットケースを製造される新和プラスチックの田邊専務からお話を伺いました。

経営を安定化させるためにも、OEM生産ではなく自社製品でブランドづくりに力点を置いた製品づくりを目指します。

同社の歴史
当社は昭和30年頃にセルロイドの原料を販売する会社としてスタートしました。その後、時代の流れと共に塩化ビニールの加工へと主業を切り替え、ヘルメットや看板などの成型品をつくっていました。そして、50年ほど前から現在のアクリルが主体のシート裁断、切削、磨きなどの製品展開をはじめ、磨きに関しては、仕上がりに定評があり、店舗で使用されるショーケースなどの依頼も多くいただいております。
現在では、100mmの厚物の加工も可能となっており、その加工技術を活かしたオリジナルの製品づくりも進めています。
当社は、液晶テレビの展示台など、OEM製品も多数生産していますが、業務が変動しやすいこともあり、今後は自社ブランドの確立に力をいれて、経営の安定化を図っていきたいと思っています。当社の仕上げの精度は海外製品のモノに比べ、格段の差があるマネできない技術だと自負しておりますので、中国を始め海外でも今後は販路が広がるものと考えています。

自社製品のブランド製品が経営の安定化に
デザインは、日本ではまだまだ重要視されていませんが、海外諸国の関心度はすでに非常に高いです。我々も海外を視野いれたモノづくりを積極的に展開していくべきだと考え、アクリルを溶着できる技術を活かした高級感のあるインテリアをつくっていきたいと考えています。新製品の開発には、知り合いのデザイナーの意見を取り入れ、アドバイスをうけながら社内で設計・デザインを行っています。アクリルのもつ光沢感やクリア感の魅力をデザインの力でもっと引き出していきたいです。

豊富な自社製品数に適したツールで拡販
当社はアクリルのシートを使った商品だけで約800点以上の製品を製造しています。カラーバリエーションなどシリーズを含むと多数に存在するため、実店舗での展示は難しいです。今までは卸業者をつうじて商品の販売を行っておりましたが、インターネット普及に伴い、自社で直接ユーザーに販売ができることやタイムリーに商品を紹介できることにメリットを感じ、5年ほど前からインターネットでの販売を始めています。カテゴリー別に製品を紹介していくなど工夫しだいで、無数の商品数を増やしていけるので、今まで以上に、シリーズ化した製品をそろえていくことや、新製品を発表し、アイテム数を増やしながら本格的に自社ブランド確立に向けて展開していきたいと思います

1枚のペット樹脂で組立てることができるオリジナルのパンフレットスタンド
当社で取り組んだオリジナル製品で東大阪ブランンドの認定製品でもあるパンフレットスタンドの「シュール」は、1枚のペット樹脂をトムソン型で打ち抜いてつくられている組み立て式のスタンドです。カッティングされたシートを山折や谷折にして1枚の板からしっかりとした2段式のパンフレットスタンドが出来上がります。
立体的なパンフレットスタンドは、輸送の際にかさ張り、コストや故障のリスクが高いのが難点です。そういった点を解決しようと組み立て式のパンフレットスタンド「シュール」を製造しました。「シュール」は、切り取る部分もなく、ビスや糊も一切使うことはありませんので、開封後、道具を一切使わず組み立ててすぐ使用することができます。また、紙のパンフレットスタンドとは違い強度も高く、たくさんパンフレットを入れてもしっかりと直立します。しっかりとした組み立て式のパンフレットスタンドは、実はありそうでなかった商品なんです。
開発にあたり苦労した点は、強度を保つということです。組み立て式で強度が弱い部分は結束部分なのですが、「シュール」を開発する際も、組み立ててはめ込む部分の細かい穴と爪が変形してしまい、それを解決する形状をつくりだすのに2ヶ月もの時間がかかりました。苦労の甲斐もあり、独自の形状をあみ出した「シュール」は今から14年ほど前に完成し、特許も取得することができました。

本業のアクリル素材を活かした製品づくり
ペット樹脂のパンフレットスタンド「シュール」の他に、本業であるアクリル素材の自社製品も、20年ほど前からつくっています。主なものでは店舗での使用や趣味でコレクションされている方向けのメガネのショーケースや、液晶TVの保護パネル、フォトスタンドなどがあります。
大手企業はコストを下げるために海外生産品に切り替えていますが、当社には仕上げの精度や素材を魅せるデザイン、多品種短納期で小回りのきいた対応力を買って下さるお客様がいます。今後もそういった部分を追求し、他社と差別化を図っていきたいと思います。

株式会社三洋スプリング製作所

インタビュー:藤本 会長、藤本まりさん
板バネの製造からスタートし、現在では切削・プレス・鈑金・バネ、組立てや表面処理などの金属加工を行う中で、異業種で自社製品を開発された?三洋スプリング製作所の藤本会長、藤本まりさんからお話を伺いました。

協力関係にあった大手メーカーとの取引の断絶が、自社の経営を強化。
逆境に感謝する心で成長し、新たな自社製品づくりにもチャレンジ。

大手取引が突然切れてからの復活
戦後まもなく、大手家電メーカーに勤めていた先代が同業の大手家電メーカーの副社長と同時期に商社を立ち上げました。昭和42年に藤本会長がその商社に入り、ある商社を通じて大手家電メーカーの板バネやプレス関係の仕事を受け持つようになり、加工する設備を徐々に増やしていき、メーカーのプレス部会やQCサークル、品質検査など勉強会に参加させてもらい、無検査認定工場の認定を受けました。
しかし、協力関係であった商社から「外注先はいくらでもある。勉強会にも来なくていい」と、ある時突然言われてしまい、ピーク時には7割ほどの売り上げを占めていた大手家電メーカーとの取引が突然切れてしまいました。
しかし、そこから自社は得意先を開拓するようになり、高度経済成長期のタイミングもあり、このゼロからのスタートを逆に経営力向上へと繋げていくことがました。大手家電メーカーで勉強をさせてもらっていたことが基礎となり、自社でISOも取得できました。仕事の内容も、少ロットや短納期なものに対応できるように切り替えていきました。今から考えると、あの時の「自立」という決断力が今の状態につながっており、決断があと2年遅れていれば非常に厳しい状態になっていたと思うくらいのターニングポイントでした。
自立化によって育んだバイタリティーはしっかりと社内に根付き、今ではリーマンショック後も元の水準に業務は順調に回復し、22年度の売上は前年比の約34%増と活気に満ちています。

知恵を持ち寄り認定製品を開発
東大阪ブランド認定製品の「頭守る君」は、異業種グループの活動をしている中で、「何かオリジナルのものをつくろう」ということになったとき、我が社が中心となってこの製品をつくりました。その製品開発のきっかけは、ある日、従業員が作業中に機械の角で頭をぶつけて怪我をしたことがあり、従業員のために、またこういった事故が他では起こらないように、工場など軽作業時に頭を保護できる、帽子よりも安全性が高くヘルメットより負担の少ないものとして製品化しようと考えました。
金型や樹脂成型などをグループ内で意見を出し合い、資金は全て当社が出資しましたが、初めての自社製品ということでしたので、これまでとはまったく異なる新しい製品分野の販路も自社で用意しなければならずとても大変でした。しかし、オリジナル製品の販売のため専用に立ち上げたホームページでは、今まで知ることができなかった消費者の声を直接聞くことができ、それを元に社内で改良に向けた検討会議を行ったりと、新たに製品開発に向けた手法を広けることができました。

自社でも異業種グループでも初の最終製品づくり
「頭守る君」の開発には、1年半ほどの時間を要しました。素材は環境に優しいポリエチレンを使用することにし、寸法を変えたり頭がムレないように空気の抜けを考えたり、接続部分を金具から超音波溶着に変更したりと、検討や改良を重ねてようやく完成できました。自社工場での従業員にも好評で、ここ1年くらいで問い合わせも増え、軽作業者や見学者用ヘルメットの変わりに使用されたり、一般の高齢者が自転車に乗るときに使われたりと、使用の幅は広がってリピーターが続出しています。また、いただいた意見の中には、自分の帽子に着用したいという声も多く、好きな帽子に装着できるようにインナーだけの販売も開始いたしました。 これからも、消費者の声を参考に、より良い製品を送り出していきたいと思います。

次は自社技術を盛り込んだ製品を
初めての取り組みでしたが、なんとか軌道にも乗り、特許の取得についてもいろいろと得たものがあります。最初はそんなに売れるだろうかと疑問を抱いていた社員も、「自社製品づくりはいいな」というように考え方も変わってきています。当社で導入している設備は時計メーカーのものがメインですが、そのメーカーは時計の精度を上げるために機械を高度化させてきました。除々に時計が価格競争になってくるに従い、加工機を販売することが主力になってきています。当初は販売目的でない取り組みでも、社内で行っている業務が主力へと切り替わっていくということがありますので、当社も次は社内でできる技術を活かして新たな自社製品づくりをやっていきたいと考えています。

株式会社ロブテックス

インタビュー:杉原氏、北川氏
お客様の満足を第一に考え、業界基準や独自基準を率先して定め、エビ印のモンキレンチとして絶大な信頼を誇る(株)ロブテックスの企画開発杉原リーダーと北川氏にお話を伺いました。

120年以上に渡って、一貫してお客様と社会に役立つモノづくりを続ける。
歴史に驕ることなく、常に進化しつづける。

エビ印モンキーレンチは発売してから80年以上間変わることのない完成された商品
当社は今から120年以上前に、馬毛を刈るバリカンをヒントに理容器開発に取り組み、輸入に代わるバリカンの国内製造を始めました。その後、1928年に国内で初めてモンキレンチを生産し、作業工具を中心とした製造・販売に業務をシフトしていきました。
現在も、当時と変わらぬ基本性能でモンキレンチを製造しています。これは自社で製造した製品が80年以上も前から変わらぬ重要な機能が備わっていたという裏づけであったと自負しています。

自社でつくった規格も時代の変化とともに乗り超えて
戦後間もない今から60年ほど前は、欧米の製品は一級品で、日本はキャッチアップを目指して取り組む分野が多くあり、モンキレンチも例外ではありませんでした。そのため、日本での工業規格であるJISをモンキレンチでもつくろうと、当社を定め、複数の企業と連携してその規格のガイドラインをつくりました。そのJIS規格品第1号が1951年に開発されました。しかし、時代とともにユーザーのニーズは変化し、今ではJIS規格どおりの製品ばかりでなく、例えばモンキレンチの口開き幅をワイドにしたJIS規格基準を超える製品なども積極的に製造しています。本当に必要とされる製品をつくり続けていくために、自らつくった基準であっても、それに固執することなく乗り越えながら進化していきたいと考えています。

いつまでも安心して使ってもらうために
東大阪ブランドに認定されている製品は、通常の製品よりも軽量・コンパクトで、口開きが広いという特徴を持っています。
現在販売している製品も、常に改良する部分がないかということを検討しています。販売の際にはパッケージにアンケートを同封したり、展示会やホームページからユーザーの意見が入るようにしています。このような取り組みから、ユーザーの声を反映させた製品を開発しました。従来、ボルト・ナットはモンキレンチの上アゴ・下アゴの2面で挟み込んで締め外しを行うため、角をなめてしまいやすいということもありました。そこで、本体の形状を変えて3面に力がかかるような構造にし、力がかかりやすく安定して使用することができる機能を付加しました。
次に、ボルト・ナットの大きさに合わせ、調整する可動部である下アゴと呼ばれる部分にガタがあることも角をなめやすい原因の1つでした。そのガタをなくすために下アゴにボールを入れることでタテ方向のガタを低減し、精度を向上させています。この改良をあわせて発売した。ハイブリッドモンキレンチプレミアムシリーズでは、機能的故障などで使用できなくなった場合には、無期限で修理をする永久保証制度も導入。当社の製品を永く安心して使ってもらうためのサービスを提供しています。

当社製品をより理解してもらうために
当社では、2006年にR&Dセンターを設置し、お客様に当社製品をより理解していただくために各種サービスを提供しています。具体的には、当社エビ印工具の歴史やラインナップを紹介しているとともに商品の実演が行えるコーナーを設けたり、修理や商品知識を習得できるトレーニングルームも設置し、実際に見て触れてもらいながら当社のことを深く知っていただいています。当社製品はモンキレンチだけでも数十種類の商品ラインナップを揃えていますので、センターはとても見応えがありますよ。

社会的責務である環境負荷への取り組み
環境問題に対応した取り組みを行うことは企業としては当然の責務であり、地域社会との共存を図る為にも、率先して行うべきことです。これまでも、騒音、粉塵等の環境測定、廃棄物の分別・リサイクル、ダンボールを緩衝材として再利用するなどの活動を展開しますが、それに加え、ISO14001を認証取得し、さらに工場からだけではなく、商品からも環境負荷物質を低減させていくため、欧州内に販売することが禁止されているRoHS指令に適合した新製品等の開発も行っています。環境負荷低減ガイドラインを設け、製品の長寿命化や消費エネルギーの減少、素材の減量化などの項目に適合する製品には当社の環境マークを記すなど、当社独自の環境配慮への取組を行い、これらの取り組みを通して顧客の期待を超える製品をこれからもつくり続けていきたいと考えています。

株式会社カワキタ

インタビュー:河北 社長
よりよい経営環境づくりを追及し、ファブレスという生産形態の身軽さを活かして幅広いモノづくりを展開する㈱カワキタの河北社長にお話を伺いました。

ファブレスメーカーならではの特徴を活かし取引企業に、社会に、
貢献できる企業を目指しています

時代の流れを読み取り成長を続ける
当社は戦後まもなくセルロイドの金型製造業として創業し、その後プラスチック金型・成形の製造に移行。そして、自社生産から国内の協力工場での生産へ移行しながら12年ほど前、中国に協力工場を持ちました。中国では国民性が日本人と異なる部分がありますが、そこは地道に信頼関係をつくり、生産を前提に徹底したシステムを構築し、大幅にアイテム数を増やして業績を伸ばしてきました。今では、 ファブレスという生産形態の身軽さを活かして、プラスチック製品のみならず、紙製品、金属製品、ぬいぐるみなどモノづくりの幅を広げ、かねてから取引のあるお客様の要望にトータルで応えていけるメーカーへと成長しています。

積み上げてきた実績で当社の強みを活かした提案力を実現
当社ではOEMにより長年蓄積してきたノウハウと豊富な種類の金型が存在します。
それを活かして、カテゴリーやキャラクター、ターゲットから使用する場面まで想定し、積極的に自らお客様へ企画提案を行っています。
新しいアイテムをつくる際、数が見込めなければ、1メーカーにとって金型から起こす投資は金銭的に厳しいものがありますが、当社で抱える豊富な種類の金型を使い、製造できる製品をカテゴリー別にしたカタログを元にこちらから提案すると、新製品づくりへのイメージも早く固まり、製造コストや時間が大幅に短縮されると、非常に喜んでいただいています。

国境のないデザインで次なる展開を
当社の主力製品は、キャラクターグッズのOEMが中心で「デザイン」というと、いかにしてキャラクターを描けるスペースを広く確保した新たな成形品をつくれるかという点と使いやすさの機能性を追求する2つの観点からなる考え方が「デザイン」でした。
あるとき、「資源の少ない中小企業こそデザインで売っていくべきだ」と知り合いのデザイナーが紙面で言われていることに共感し、そこから本格的にデザインを意識し一緒に製品づくりを行っていきました。
それは今まで当社で行ってきた「デザイン」とはまるで異なったデザインの考え方で、OEMが中心で、パテントを取っても上代がほぼ決まっていた製品の価値が、デザイン性を高めることで、その壁を打ち破ることができました。また、環境にも配慮した自社製品づくりも追求することにもつながりました。デザインには国境がありませんので、海外の展示会などに出展すると日本のモノづくりの姿勢とデザイン性の高さにみなさんに注目していただけます。今後も海外のマーケットを見据えて、海外展開を当社のこれからの柱の一つになるよう、前向きに取組んでいきたいと考えています。

未来を担う子供達に向けて
当社のホームページには、私が掲げた24の行動指針を掲載しています。
社員には毎日この行動指針の中から1つでもいいので意識して仕事に励むよう声をかけています。当社で働くことで、仕事も中身も成長してほしい。一人一人の社員が成長することが会社の成長に繋がっていると思います。
また、未来の担い手である子供たちの育成に当社が貢献できればと考えています。具体的には小学生に工場見学や職場体験を通じてモノがつくられることをリアルに感じてもらうこと。また、一緒に市場調査を行ったりして、相手について考える力を身につけてもらえるような活動をしています。今は昔と違って、工場や会社は閉鎖的で近所にいても何をしている会社なのか何をつくっている会社なのか、なかなかわかりません。将来、この体験を子供たちが就職する時にでも思い出してもらい、我々のような文具や雑貨の分野、その他モノづくり企業に興味を持って働くことを目指してもらえることにつなげていければと考えています。今後も会社と社会を身近にして地域社会に貢献していくことを社員と共に進めていきたいです。
インタビュー:株式会社カワキタ 河北社長

株式会社オーシン

インタビュー:石田 技術顧問
カーボンプレートを使用して今まで不可能だった 陶器や石材食器が使えるIH対応器を開発し、さらに外部デザイナーとの連携し、今までの発想を大幅に転換するIHとガスの両方で使える鍋「Cookpot」を開発した㈱オーシンの石田技術顧問にお話を伺いました。

靴の販売からスタートした当社ですが、枠にとらわれることなく想像もつかないような新たな分野へ邁進します。

事業の始まりは靴の販売から
我が社の始まりは、先代が中国の大連で靴を販売していたところからです。やがて日本でも靴を販売するようになりましたが、コンサルからは「単に日本の靴を売っているだけでは先細りしてしまう。自社製品をつくってやっていかないといけない」と言われていました。しかし、我が社のノウハウで何をつくるべきかと考えていたところ、取引先の方が工場で転倒するという事故があり、滑り止めがついている工場で使用する靴をつくってほしいという要望を受けました。急を要する要望に、程良い滑り止めがありそうなスリッパの底を剥がして靴に貼り付けて持っていくという簡易な方法で素早く対応したところ、とても好評で、これを機に本格的に滑り止め効果のある靴をつくりだしました。
しかし、好評をいただいきスタートした滑り止め効果のある靴の販売でしたが、一般の靴屋のルートでは用途が見出されずなかなか売れませんでした。苦肉の策として、販路を拡大する目的でコックなどに厨房で使用してもらう用にと、白衣屋のルートで販売してみたところ、それがヒットし、この製品は実用新案を取っていましたので、権利が切れるまでは順調に業績を伸ばしていきました。

熱源の変更がビジネスチャンスに
靴が順調に売り上げを伸ばす中、靴の製造とあわせてもうひとつ、我が社では先代の時代からアルミの溶解業務をやっており、アルミの鍋などをつくって売っていました。
ある時、「鍋はこれからアルミからステンレスに替わるよ。IHの電磁調理器で使えるものをつくってよ」顧客から言われた言葉がきっかけで、こちらの事業でもIH調理器にも対応できるような鍋をつくろうと新たな製品開発がスタートしました。
当初は、アルミを製造してきたメーカーでしたので、アルミ鍋でIH調理器に対応するものを開発しようと試行錯誤を繰り返しました。そんな中カーボン素材は熱収縮が少なくIHでも熱くなるという情報を入手し、アルミ鍋に溶射してカーボンを貼りつけた製品を開発しましたが、様々な問題が生じてうまくいかず、行き詰っていました。知り合いの企業にいい窯元を紹介してもらうことになり、また新たに土鍋のIH調理器対応製品の開発に取り組むことになりました。

独自製品開発までの長い道のり
IH調理器対応の土鍋の製品づくりは、幾度と改良を重ねることで何とか実用化にこぎつけることができました。そのころには、他社製品でもステンレスの板を中に入れたものや裏側から銀の転写フィルムを貼っているものなどIH調理器対応の土鍋が出てきていましたが、本来の鍋の機能をうまく果たせないものやすぐに焦げるもの、また、はがれてしまったり、電気のパワーが強すぎて電源が切れてしまったりとそれぞれにまだまだ問題がありました。
我が社は、アルミ鍋の開発時からカーボンの特性に着目し、製品づくりを進め、自社製品ではすべての問題をクリアできるよう妥協せず改良に改良を重ねました。
そしてその努力が実り、一人用の鍋を求めていた大手居酒屋チェーン店での大量採用が決まり、性能や実用性が認められ、大きな自信になりました。

今までの事業が1つ1つつながっていく
当社は1つ1つ手作りで鍋の研削やカーボンの切削、またそれらの接着を行っています。
お客様の用途に合わせて鍋底の厚みや径を変えて、ニーズに対応する製品を提供し、内製化で工夫をしながら他社と差別化を図っています。
また、加工機などの設備導入ではアルミの溶解業務で過去に石材研磨機の本体をつくったことがある縁で、納品先にお願いし石材研磨機を安く譲ってもらったり、昔から繋がりのある地元企業に専用機をつくってもらったりと、幅広く展開した事業が1つ1つ繋がり、投資コストを抑えられるなど、新たな事業とうまく循環していきました。

全く新しい発想で、機能性・デザイン性を高めた次なるステージへ
自社製品は常に改良を重ね続けています。家庭から店舗まで様々な場面で使用されるようになったIH調理器対応の当社製品「マジカル土鍋」もIHでの加熱スピードを課題とし、改良をしていました。我が社の改良方法は鍋を薄くするという方向で、薄くすることによるクラックの問題をどう解決するかが課題となっていました。
東大阪ブランド事業に参加する中で、その課題をブランドのサポートをしていただいている世界的工業デザイナーの方に相談したところ、「薄くする努力をするよりもカーボンと鍋を分離して使い勝手をより良くしてはどうか」という新たなアイデアが生まれ、今まで思いつきもしなかった発想の転換で「Cookpot」というまた新たな製品ができました。
販路先も今まで以上に幅が広がり、百貨店を中心にした展開に加え、フランスのメゾンオブジェにも出展し海外から注目される製品へと成長。グッドデザイン賞にも受賞され、順調なスタートを切ることができています。注文の中には、パスタのカルボナーラをアツアツでお客に提供する容器として使いたいなど、今までになかった新たな用途での採用もあります。ガスにも対応しているため、より多くの方に活用していただけますので、可能性の幅は狭めず、今後も機能をうまく伝えながら販路を広げていきたいと考えています。
インタビュー :株式会社 オーシン  石田 技術顧問

太陽金属製作所

インタビュー:南 代表
古代より引き継がれてきた木組みの技術を応用して金属プレス加工に活かし、現代ニーズに見合ったボルトレス保管棚を開発された太陽金属製作所の南代表からお話を伺いました。

下請けからの脱却を目指し取り組んだオリジナル製品づくりのヒントは
古代より引き継がれる日本固有の宮大工の「木組み」技術にありました。

同社のこだわり
日本には釘や金物を一切使わず、木に切り込みを施し、木のみで組み上げていく宮大工の伝統工法「木組み」という技術があります。
下請けから脱却を目指し、自立化に向けた製品開発を進めていたころ、あるきっかけで宮大工の先生と知り合い、「木組み」の技術について詳しく知りました。私は、この古来から引き継がれる日本固有の技術を、今まで培ってきた自社の技術と融合し、現代に新しいカタチでもっと身近に伝えていくことはできないかと考えるようになります。
そして、かねてから考えのあった統一した規格の保管棚に、この木組みの技術を活かした、ビスや固定金具を一切使わず誰でも簡単に素早く組み立てることができる「ボルトレス」という新たな発想の自社オリジナル製品「7へんげじざい」を開発しました。

どんな人にも使いやすく、お客様の視点に立った安心できるサービスを
当社で開発した「7へんげじざい」は、一切部品を使わないので、締め付ける作業が必要なく、女性でも簡単に従来のラックの組み立て時間の約1/4程度で組み立てることができます。また自社の加工技術で高い鋼性を持つ支柱を共有してスチールラックを何台でも連結していくことが出来るので、コストとスペースの削減になり、連結することでより安定感が増し、耐震性に優れていますので大型倉庫などでも使用いただいています 。
さらに、万が一の破損には期限のない「永久保証」で対応しています。それは自社の知恵と技術を集結させて造った製品に自信があるからできることです。お客様の視点に立ったサービスを心がけることで、お客様にご安心して利用して頂きたい。当製品も古来から引き継がれる木組み技術のように、永く使用されて使い継がれる製品となることを目指しています

どんなことにも誠意を持って柔軟に対応する
当社は鉄鋼コイル材から加工を行っており、厚み5種類、幅6種類の鋼板を在庫していることで、特注・オーダーメイドに柔軟に対応できるとことが強みです。また、これまで蓄積してきたノウハウにより、現場を見て効率的な配置を考えて設置することも可能です。どんなことにも誠意をもってお客様のニーズに素早くしっかりと対応することから、環境が変化しても、活用できるヒントが生まれてくるはずです。今後も新たな目標に挑戦し、創造的な仕事を社会に提供し続けることを永遠のテーマに、日々努力を重ねています。

木組み技術を更に発展させて
現在、当社は7へんげじざいの耐久性を活かしその技術を防災という分野で融合し、新たな事業を立ち上げようと日々努力を重ねております。具体的にはホームシェルターを開発することであり、大阪府の経営革新事業の認定を受けて取り組んでいます。企業は社会的なサービスを提供する主体として、災害に強い体制を構築しておくことが求められますが、当社が目指すのは、企業や一般家庭を含めて防災に強いまちを構築していくことに貢献することです。普段は注目されることがなくても、いざという時に威力を発揮する、そんな日本古来のモノづくり精神の血潮が、私の中にも脈々と流れています。

日本化線株式会社

インタビュー:笠野 社長
線材を使った生産財の生産から新たにワイヤークラフトという消費財市場を創った(株)日本化線の笠野社長からお話を伺いました。

現在取組むのはクラフト業界の新たな開拓企業としての次のステップ。
つくりだした新たなクラフトワイヤーという市場を広げていく。

同社の歴史
我が社は、鉄鋼を延ばした線材(ロッド)から、鉄線・ナマシ線鉄線・針金・釘などを製造し、それらを土木、建築、電設、園芸、家庭金物、雑貨など様々な分野へ生産財として供給する事業を先代が始めたところからスタートしました。現在もその事業は引き継ぎ、生産財の企業として大きなプロジェクトにも携わっておりますが、私の代からは自社オリジナル製品としてクラフト用の「カラーワイヤー」を製造し、クラフト業界でも馴染みのなかった新たな未開拓の領域を作り上げることにチャレンジしました。

消費財市場開拓のきっかけ
「ワイヤークラフト」という市場をつくったきっかけですが、ある日東急ハンズへ行った際、ワイヤーを使って三輪車を工作販売するアーティストとの出会いが始まりでした。硬い線材からペンチなどを駆使し三輪車を見事につくる彼を見て、自社で扱う製品の新たな使い道を見出しました。 すぐさまそのアーティストに掛け合い、自社の顧問デザイナーとして迎えることになりました。
豊富な作品制作経験を持つ彼から、もっと柔かい素材をつくればたくさんの人が気軽に楽しめる製品になるのではないかと提案されたことがきっかけとなり、当社の強みを活かせる合成樹脂被覆の延長線上で新たな素材を開発し、デザインカラーワイヤー「自遊自在」を誕生させました。
今までになかった豊富なカラーバリエーションに、誰でも簡単に曲げることができるやわらかさ。完成した製品は、その斬新さが注目され、東急ハンズから導入販売の声がかかったことを皮切りに未開拓のクラフト業界に広く浸透していきました。

自らの市場を自らで開拓
新製品で、新たな分野を開拓できた当社でしたが、変動する産業構造や市場の中で常に順風満帆ということはありませんでした。市場に製品の良さが広まると、すぐに中国から安い被覆線が素材として入ってくるようになり、苦しい思いもしました。
そういった状況に対抗していくため、新たにできることはないかと考えた結果、市場の開拓企業としてこの新たな市場をより広げる活動を行うことにしました。
使う人にとっての商品価値を高めるためにデザイン性を高め、ワイヤークラフトの楽しさを知ってもらう活動や的を得た商品づくりに注力するなど、自社でクラフト文化を構築してソフト発信による手づくり需要を伸ばしていく他ではできない取組みを展開しました。
具体的には、ワイヤークラフトの教本の自社出版やレシピ作り、クラフトマイスターを育てる講座の開設や教室の開講など。製品のラインナップも現在は29キット、40種類の製品を発売し、素材が製造できる企業の強みを活かし、商品の質感や色調、パッケージングなど、他にない独特のものを開発し、様々な人たちに幅広く使っていただけるように用途を拡大してデザインワークにより新製品開発に余念なく取組んでいます。

伝え続けるべきこと
私たちは、モノづくり精神を引き継いで、「心」でモノづくりの提案をしようと心がけています。IT化の進展によりモノづくりが遠のいて稀有に感じられることを非常に危惧していますが、当社はモノづくりのまち東大阪で活動を続けていることや、生産工程で必要な金型やジョイント部品なども地元企業に協力してもらって製造し、「東大阪から全国へ提供していく」というモノづくりの信念を持って取り組んでいます。社員もモノづくりのまち東大阪からお客様目線で製品を開発して皆さんに喜んでもらいたいと考えており、名刺にはメードイン東大阪ジャパンと記載して、モノづくりのまちの誇りを胸に事業活動を行っています。
また、教育業界へもアプローチを行い、ひとりでも多くの子供たちに手づくりを理解してもらえるよう、地元の小学校の授業で子供達の前に立って、次世代を担う若者にも手づくりの大切さを伝える活動を約9年前から行っています。モノづくりに携わる企業として、私は私たちのできることを少しずつでも前向きに取組んでいきたいと考えています。

このまちと共に
ワイヤークラフトという文化を育てるための普及啓発とビジネスのバランスをとっていくことは簡単ではありませんが、国内で足場を固め、今後もこれまで事業活動を行ってきた東大阪と共に社会に貢献できる企業として成長していきたいです。

株式会社ジェーシーシー・クロレラ

インタビュー:岸田氏
独自で設計した機械でクロレラ粉砕における課題を次々と克服して、きめの細かいクロレラ入り抹茶製品を製造販売する(株)ジェーシーシー・クロレラの岸田氏にお話を伺いました。

販売は必ず商品を試してもらってから。人の口に入る食料品に使用される製品なので、納得いくまで安全性・性能性をテストしてもらいます。
きっかけは人とのつながりから
元々当社は、クロレラを使った食料品を加工してスーパーなど小売店に納品している業者でした。あるときお茶の専門家との出会いによって、クロレラを扱うノウハウとお茶を専門に扱ってきた経験をそれぞれで持ち寄り、新たに特徴のある製品を作ろうという話に進展しました。そして、他社よりもきめ細かい超微粉末のクロレラと抹茶(緑茶)を組み合わせた製品を製造することに決め、開発がスタートしました。

様々な課題を乗り越えて、商品を求めている顧客へ安定的に製品を提供できるように
原料となるクロレラは、日本の風土では一年を通してコンスタントに培養することは出来ません。安定して供給できずに品切れ状態が続くようでは、お客様に対してご迷惑をおかけすることになりますし、品質に関しても安定しなければ商品として販売してはいけません。そこで、安定的に安全なクロレラを提供するため、クロレラは台湾の製造メーカーで大手の管轄下で厳格な品質管理を行っている会社を通じて仕入れています。又、お茶に関しても、静岡の農園から安定的に仕入れる体制を整えました。安定した安全な原料が揃い、次に製品づくりですが、当社は独自にクロレラとお茶をブレンド及び粉砕を同時に出来る専用機を開発し、一般的な粉砕方法と比べて約10倍以上の生産能力を備えた生産体制で製造しています。通常はクロレラとお茶の細かさが異なると、配送中に分離してしまいますが、当社で粉砕した製品は、きめが細かく分離の心配はありません。さらに、クロレラやお茶などグリーン系統の商品は、粉砕するときの摩擦熱が加わると色彩及び風味が飛んでしまうのですが、当社の専用機は冷却機能を施して設計しているため、その問題を克服しています。粉砕の細かさにも、とことんこだわりましたよ。実は、当初は一般的なクロレラ入り抹茶よりも約5倍も細かい1000メッシュという数値を目指して開発したのですが、いざ製造してみると、あまりにも細かすぎて、空気中に舞い上がってしまいましたので、商品化には平均500メッシュまで落として、細かく且つ安定したものに設定しました。

東大阪ブランド認定が拡販に
当社は、クロレラ入り抹茶という分野の業界では後発にあたりますが、東大阪ブランドに認定されているということが信用力となって効果が出てきています。
当社は問屋への卸販売とホームページなどの直接販売の両輪で販売を行っていますが、どなた様にも採用していただく前に、テスト用サンプルを提供して十分に製品を理解してもらい、納得の上購入していただいています。お客様が納得して購入される際に、商品の良さに加え、東大阪ブランドに認定されているという客観的な評価があることが、大きな後ろ盾になって販売を後押ししてくれています。

お客の要望に応じた商品を提供
当初は、菓子メーカー等業者向けにクロレラ入り抹茶を販売しており、東大阪ブランドにも認定されているように様々な用途に合わせたバリエーションの製品を製造していました。しかし、ある展示会で試飲用に出していたクロレラ入り抹茶を飲まれた方が、是非個人用に分けて欲しいとお声がかかり、欲しい方がいるなら直接に1つからでも販売していこうと「クロレラ緑茶」を一般向けの商品として販売を広げてきました。
食品メーカーなどは、テストサンプルを送ってから、実際に半年間やそれ以上という期間をかけて、ある一定期間が経っても変質しないかどうかを非常に厳しくテストします。
人の口に入る食べ物は、色彩も重要な商品価値ですが、抹茶だけを配合した場合と比べてクロレラをあわせて配合することで、明るいグリーンになって見た目も随分と違ってくることも実際にテストしていただくことで理解してもらえます。また、テストを行う前にも、どのような用途で使われるのかを聞いた上で配合率を設定することを当社から提案しています。今では納得してお使いいただいている大手のお菓子メーカー様も全国各地に増えてきています。
一般消費者の方へもホームページ上でクロレラ緑茶を使ったレシピを紹介し、お茶を飲むだけでなく、いろいろな使い方があることを知っていただいています。お客様のニーズにあった用途を自社でも追及することで、納得して使っていただける方を少しずつでも増やしていけるよう努力し、これからも安定した製品を皆様に届けていきたいです。

大一鋼業株式会社

インタビュー:高橋 社長
金物問屋から、モノづくりのメーカーへと事業転換され、数々のロングラン製品を製造されている大一鋼業(株)の高橋社長からお話を伺いました。

けっして派手で目立つような商品ではありませんが、
徹底してこだわりぬいた商品だから、何十年と月日がたっても長く愛される。

同社の歴史
当社は約75年前、金物問屋として創業しました。私の父親(先代)はモノづくりがとても好きで、いろいろと興味を持って考えてはアイデアをカタチにしていったため、金物問屋は量販店のベンダーになっていくのが一般的ですが、当社は製造業のウエイトを高めていきました。
約50年ほど前から自社製品をつくり、今では業務の約8割は自社製品メーカーとして製造・販売しています。
当社初の自社製品は「フランスカーテンクリップ」という製品です。当時カーテンフックがなかった時代に留め具を製造し、大ヒットとなりました。このヒット商品から製品開発の弾みがつき、現在では100種類以上もの製品を当社で取り揃えています。

毎日使う商品だから、より使いやすく
当社は、毎年東京で開催される展示会で必ず新しい製品を開発し、発表し続けています。東大阪ブランドの認定製品である「マーキー」と「すっぽんフック」も40年ほど前に開発した商品です。通常、日用品の製品は、市場に出てから長くて5年くらいのサイクルで入れ替わっていくといわれています。しかし、この「マーキー」や「すっぽんフック」を含む当社の製品は何十年という月日がたっても、市場で求められつづけています。それは当社が、何十年も先を見越し、当時から性能やデザインにこだわったモノづくりを続けてきた結果だと考えています。決して派手で目立つような商品ではありませんが、そこには洗練されたデザインと、こだわりぬいた想いを詰め込んでいるんです。近年、マーキーの後継商品としてクリップマーキーという商品は発売しましたが、この商品も長く愛され続けるマーキーをもう一度見直して使う人の気持ちに立ったデザインや機能を追及し、2010年にグッドデザイン賞を受賞する評価をいただきました。

潜在意識にモノづくりを組み入れる
毎年展示会で、新たな商品を発表していくためには、モノをつくることを常に潜在意識に入れておくことが必要不可欠です。生活の中のふとした拍子に新たな製品アイデアがカタチとなってつながっていくということを社員全員が強く意識するようにしています。企画会議には、外部のデザイナーを入れて、営業も工場の者も一緒になって検討します。月に1度は徹底的に商品の改良点を洗い出し、結果をすぐに反映させていくという姿勢で、「毎日毎日使う商品を使いやすいものにしていく」ということを開発のポリシーとして取組んでいます。造った製品が売れなければ、「なぜ売れないのか」という理由を徹底的に解明し、すぐに改良して市場に導入していきます。目先の利益ではなく、末長く、本当に必要とされる商品を目指して取り組む姿勢がロングランのヒット商品を生み出される当社の秘訣です。
製造メーカーとしての信頼性を構築する
当社の商品はすべて、実用新案や意匠登録など、製品に関して取得できるものは全て取得しています。その上で、全ての商品に権利が反映されるように改良を重ねています。10年ほど前に、一度マーキーがマネされたことがありましたが、徹底的に排除勧告を行って当社のオリジナル性を守ってきました。また、自社で製造する製品には自信を持って供給してきた甲斐もあって、市場では鍵をつけるホルダーはマーキーという商品名で認知されています。多くの人に使ってもらう商品をつくるメーカーとして、安心して使ってもらえるように今後もこのようなことを積み重ねて信頼を高めていきたいと考えています。

他地域の見本となる企業団地で操業
当社が本社を置くこの金物団地は、他の団地よりも団結力が高く、全国的に見てもうまく機能しています。団地内の公園は組合で自主的に清掃を行い、夏には近所の子供たちを集めてお祭りをやったり、地域内管理や地域活動をしっかり行っています。全国の団地の中には企業が減ってくると、とにかく企業に入ってもらいたい一心で異業種の企業の入居を認める場合が多いのですが、ここは同業種だけに入居してもらうように土地建物委員会や理事会で厳しい検討・審査を行い、均整を図っています。多くの企業が密接する団地だからこそ一体となり、東大阪からすばらしい製品を発信していきたいです。

株式会社ユーコン

インタビュー:古谷 社長
環境関連製品や電子機器製品を開発されているユーコンの古谷社長からお話を伺いました。

主体性を持つことがむずかしい下請けではなく、自分の理念を持ったモノづくりをしたかった。

『環境と健康』をスローガンに自らの想いを実現する会社を設立
私は元々弱電関係の会社に勤めていましたが、『環境と健康』をスローガンにした自らの想いを実現できる会社をつくろうと、?ユーコンを13年前に立ち上げました。社名の「ユーコン(U・CON)」は、“ウコン”が由来で、スローガンの「健康」を意識して名づけました。創業当初は健康食品も扱っていましたが、前職の弱電関係の経験・人脈を活用し、電子機器の企画開発品や大手メーカーのOEM生産を行ってきました。しかし下請けではどうしても主体性は持ちにくく、当初の自らのモノづくりへの想いとは違和感を感じていました。そして、やはり当社のモノづくりで理念に沿った製品を世に残したいという想いが高まり、平成18年に初の自社製品を開発しました。

開発製品に込めた想い
現在、地球温暖化や環境破壊が国際的な課題となっています。子どもたちに明るい未来を残していくためには、ひとりひとりがこの問題に正面から取り組むことが必要であると痛感していました。私はモノづくりを通してこの問題に取り組むことはできないか、私のつくった製品を通して使う人が気軽に問題に取り組めるような、日常で使う身近な製品を開発したいと考えました。
そして自社製品第1号として世に送り出したのが、誰でもラクにコンセントを抜くことができるプラグ外し補助具の『ぬきラク』です。
電力使用量を少しでも削減するために、使用していない時にコンセントをこまめに抜くという行為は、一番身近に取り組めるエコですが、体の不自由な方や高齢者、子供など小さな力ではプラグが固く、難しい場合もあります。そういった方々にも使ってもらえる製品とするため、ユニバーサルデザインで『ぬきラク』をつくりました。また、この製品を通して誰もがこまめにコンセントを抜く習慣を根付かせることも意識した製品にしています。
この『ぬきラク』が「リハビリテーション ビジュアルブック」(学研メディカル秀潤社)に紹介されるなど、自社製品が社会的な評価も受けています。

試行錯誤の苦労の先に発見がある
製品化に至るまでは苦労の連続でした。自社製品は、私のこれまでの経験が活かせる電子部品とはまったく違うため、機能、素材、形、強度、デザインの設計、PR、販売ルートの構築など、すべてにおいて試行錯誤が伴う苦労の連続となりました。しかし、試行錯誤の中だからこそ思いもよらぬ発見やうまくいった部分もありました。いろいろと試してき結果、納得のいく完成品の開発につながったのです。これからのモノづくりは、常に新しい発見を伴うための努力が必要であると感じています。

使用者の声を反映
製品はもちろん自社でも使っていますが、身近な人にも使用してもらって意見を収集するようにしています。使う人によって使い方や利便性、好みのデザインは様々です。使用者から入ってくる声は、良くも悪くも貴重な意見ですので、今後もたくさんの方に使用していただけるように、いただいた内容を吟味して素早く製品に反映させていきたいと考えています。

モノづくりに対する意識
ここ数年では、大手企業からノベルティグッズとしての制作依頼が連続して続いています。製品のアイデアは私が考えていますが、製造する際に意識をしていることがあります。
ひとつ目は、できるだけ資源を再利用してつくること。『環境』を会社の理念に掲げていますが、世界的な課題である環境に配慮した製品づくりを行うことは、モノづくり企業の使命だと考えています。ふたつ目は東大阪ブランドの企業間ネットワークを使った加工を行うことです。都市ブランドの名の下に活動をしている企業が集まっていますので、信頼が持て、とても頼りになります。今後もこの境遇を最大限活用しながら自社理念に沿った新たな製品を数多く世に残していきたいと考えています。

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